SNSで流れてくる情報は早すぎて、時々疲れてしまうことはありませんか。そんな時は、スマホを置いて本を開いてみましょう。ページをめくる時間は、自分のペースを取り戻すための深呼吸のようなものです。特に、物が少なかった時代の暮らしや、地球の未来を考えるエシカルな本には、私たちが忘れかけている大切なヒントがたくさん詰まっています。今回は、サステナブルな暮らしの教科書となるような、本の選び方と楽しみ方をご紹介します。
自分に合う一冊と出会うための3つの視点
「サステナブル」や「エコ」といった棚に行くと、少し難しそうな専門書が並んでいて身構えてしまうかもしれません。でも、教科書のような本ばかりではありません。今の気分に合わせて、3つのジャンルから選んでみてください。
昭和の暮らしや、おばあちゃんの知恵に触れる
一つ目は、少し昔の日本の暮らしが描かれたエッセイや実用書です。昭和の時代、プラスチック製品がまだ少なかった頃、人々は一つの道具を直しながら大切に使っていました。お米のとぎ汁で掃除をしたり、着物を洋服にリメイクしたり。そんな「始末のいい暮らし」の知恵は、決して古臭いものではなく、むしろ今の私たちにとって新鮮なアイデアの宝庫です。便利さとは違う、工夫する楽しさを教えてくれます。
写真がきれいな海外のライフスタイル本を眺める
二つ目は、北欧やフランスなど、環境先進国の暮らしを紹介するビジュアルブックです。文字を読むのが疲れている時は、写真を眺めるだけでも十分です。使い込まれたキッチンの道具、自然素材のインテリア、週末の市場の風景。そこにある「美しさ」を感じることで、「私もこんなふうに整えてみたいな」という前向きなモチベーションが自然と湧いてきます。
図書館を利用して本そのものをシェアする
三つ目は、本の「選び方」ではなく「手に入れ方」の視点です。読みたい本が見つかったら、まずは図書館で探してみましょう。図書館は、地域のみんなで本を共有する、究極のシェアリングサービスです。買えば資源を使いますが、借りれば環境負荷はほぼゼロ。予約して順番を待つ時間も、その本への期待を高める楽しみの一つになります。
知識が「納得」に変わると、行動が楽になる
本を読むことのメリットは、なんとなく感じていた「環境に良いことをしなきゃ」という義務感が、「そうしたいからやる」という納得感に変わることです。
例えば、プラスチックが海に与える影響について書かれた本を読むと、スーパーでマイバッグを出す理由が「レジ袋代がもったいないから」だけでなく「海を守りたいから」という明確な意思に変わります。背景にあるストーリーや事実を深く知ることで、日々の小さな選択に迷いがなくなり、自信を持って行動できるようになります。
また、先人の知恵を知ることは、未来への不安を減らすことにもつながります。「物がなくても、工夫次第でこんなに豊かに暮らせるんだ」という事実を知っているだけで、これからの変化の時代を生きるお守りになります。
「完璧な暮らし」に圧倒されないために
本を読むときに一つだけ気をつけてほしいのが、著者の暮らしと今の自分を比べて落ち込まないことです。
本になっているのは、その道のプロや、時間をかけてスタイルを確立した人たちの記録です。「こんなに丁寧には暮らせない」「プラスチックフリーなんて無理」と圧倒されてしまっては本末転倒です。本はあくまで理想のイメージや、ヒントをくれる存在。全部を真似する必要はありません。「このお掃除方法だけ試してみようかな」と、気に入ったアイデアを一つだけつまみ食いするくらいの軽い気持ちで読みましょう。
今週末は、図書館の「家事」コーナーへ
今度の週末は、久しぶりに地元の図書館や、本屋さんの「暮らし・家事」のコーナーに立ち寄ってみませんか?
背表紙を眺めているだけでも、「繕い物」「保存食」「ゼロウェイスト」といった心惹かれるキーワードが見つかるはずです。ふと気になった一冊を手に取り、パラパラとめくってみてください。その中にある一行が、あなたの暮らしを少しだけ優しく変えるきっかけになるかもしれません。
